抗菌化学療法認定薬剤師(旧称:化学療法認定薬剤師)は、日本化学療法学会が認定する、抗菌薬の適正使用に関する専門資格です。感染制御やTDM、AST活動に関わる薬剤師にとって、取得することで実務での活躍の幅が広がります。最近では、日本病院薬剤師会感染制御認定薬剤師とのハイブリッド取得の薬剤師も増えており、IWAKIもその一人です。
🎓 新規取得に必要な5つの要件
- 薬剤師免許を有し、抗菌化学療法への見識があること
- 抗菌化学療法の実務経験が5年以上(施設長または感染対策委員長の証明あり)
- 日本化学療法学会の正会員であること
- 15例以上の症例報告
・TDMやDIを通じて処方提案に関与した実例
・1症例あたり約400字、背景・介入・考察を記述 - 学会主催の研修等で60単位以上を取得(抗菌薬適正使用セミナー15単位+学術集会5単位など)
📑 申請スケジュールと必要書類
- 申請受付期間:毎年4月1日〜8月31日
- 必要書類:申請書、薬剤師免許コピー、単位証明書、症例一覧、勤務証明書、推薦状など
- 試験日:翌年1月に筆記試験実施
🧪 筆記試験のポイント
- 形式:筆記試験(50問)
- 範囲:抗菌薬、耐性菌、TDM、ガイドラインなど実践的知識、抗菌薬適正使用生涯教育テキストの記載内容、および抗菌薬適正使用生涯教育セミナー講演内容、抗菌化学療法認定薬剤師テキスト、抗菌薬TDM臨床実践ガイドライン。
- 合格発表:2月下旬〜3月上旬
- 認定証交付:翌年3月1日付
🔁 更新要件(5年ごと)
以下の4点をすべて満たす必要があります。
要件 | 内容 |
---|---|
会員継続 | 日本化学療法学会の正会員を継続していること |
単位取得 | 5年間で60単位以上(初回と同じ条件) |
実務従事 | 抗菌化学療法に関与していること |
特例 | 海外赴任等は延長対応可 |
💰 費用の目安
項目 | 費用(概算) |
---|---|
申請料 | 11,000円(税込) |
認定料 | 22,000円(税込) |
学会年会費 | 約9,000円/年 |
その他(講習・交通費) | 約40,000〜60,000円 |
✅ まとめ
項目 | 内容 |
---|---|
実務経験 | 5年以上 |
症例報告 | 15例以上(考察あり) |
研修単位 | 60単位以上 |
試験 | 筆記試験50問 |
更新 | 会員継続・単位取得・実務従事 |
💡 取得のポイントとメリット
- 症例報告が合否の鍵:背景・介入内容・考察・根拠の記載を丁寧に
- 単位取得は計画的に:セミナーや学術集会の活用がおすすめ
- 取得メリット:ICTやASTの中核として、抗菌薬のスペシャリストに
📝 筆者の所感
抗菌化学療法認定薬剤師の取得には、医師と同じレベルで抗菌薬の議論ができるような深い学びが必要だと感じます。症例報告も参考文献や判断した意図をしっかいり記入しなければならず、簡単に取れる資格ではありませんが、現場での信頼や提案力は確実に向上します。
因みにIWAKIは筆記試験で1回落ちており、その理由をしいて言えば試験範囲に「抗菌化学療法認定薬剤師テキスト、抗菌薬TDM臨床実践ガイドライン」と記載があったのでその2冊を勉強していきましたが試験開始数時間前、会場近くのスタバで勉強しているときみたことのないテキストも持っている方を2名みました。そのテキストが「抗菌薬適正使用生涯教育テキスト」だったのです。これは医師・歯科医師ように出版されているテキストのようでしたが、試験でにわからなかった部分がこのテキストにがっつり載っていました。すでに「情報戦」で負けていたのです。皆さんはしっかり調べて臨みましょう。
📌 関連タグ
#抗菌化学療法認定薬剤師 #認定薬剤師 #TDM #感染制御 #薬剤師キャリア #ICT #AST
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