抗菌化学療法認定薬剤師の単位取得を最短で理解するガイド

抗菌化学療法認定薬剤師

抗菌化学療法認定薬剤師は、感染症診療に深く関与する薬剤師の専門資格。新規申請・更新ともに60単位の取得が求められ、所定の必須項目を含めて積み上げていきます。必須は①「抗菌薬適正使用生涯教育セミナー(Basic/Advanced、またはe-learning・ビデオ)」、②「日本化学療法学会が主催する学術集会(総会や支部会)」にそれぞれ少なくとも1回参加することです。単位の内訳や費用感を、実例ベースで分かりやすく解説します。

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今回は単位取得についてみていきましょう

まず押さえるべき単位設計(必須と選択)

必須1:抗菌薬適正使用生涯教育セミナー(Basic/Advanced・e-learning など)

  • 半日コース=15単位、1日コース=30単位
  • e-learningは現在20単位付与(制度開始初期は30単位だった時期あり)。
  • いずれかへの参加が必須(最低15単位分)です。
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2025年度はBasic30単位コースは東京開催(現地開催のみ)、Advanced15単位コースは東日本支部総会(現地+WEB開催)と西日本支部総会開催時に開催(2025年8月現在未定)されます。(下部参照)

必須2:日本化学療法学会が主催する学術集会(総会・支部会)

  • 参加で5単位(現地/Webに関わらず付与の開催もあり)。
  • 同一の合同開催では重複カウント不可(感染症学会と化学療法学会の“2学会参加”としては扱われません)。

東日本地方会などの案内でも、化学療法学会の認定薬剤師単位は5単位と明記されています(合同学会での重複不可も注意書きあり)。

選択:学会内セミナー/指定プログラム/講習会

  • 委員会が主催・指定するプログラム(例:総会内シンポジウム)=10単位
  • 指定する関連学会の学術集会(日本医療薬学会・日本TDM学会など)=2単位

例:2025年総会の指定シンポジウムは10単位付与。別枠の「認定薬剤師講習会」も10単位です。関連学会は原則2単位扱い。

BasicセミナーとAdvancedセミナーのちがい

名称はカリキュラム難度・対象の違いを示すもので、付与単位は開催形態で決まります。半日実施なら15単位、1日実施なら30単位。直近の大規模学会ではAdvancedが半日(15単位)で組まれるケースが多く、学会参加と組み合わせて効率的に単位を積めます。

  • 2025年度は8月 東京国際フォーラム Basic 1日コース 会員5,500円 非会員11,000円が開催
  • 2025年9月 朱鷺メッセ新潟コンベンションセンター Advanced半日コース 東日本支部総会合同開催 (学会参加者のみ受講可 現地+WEB開催))
  • 2025年11月 福岡国際会議場 Advanced半日コース 西日本支部総会合同開催 (学会参加者のみ受講可) 

学会参加の扱い(総会・支部会・関連学会)

  • 化学療法学会の総会・地方会:参加で5単位(必須枠の充足にも使う)。
  • 関連学会(日本医療薬学会/日本TDM学会など):参加で2単位(選択枠)。
  • 学会内セミナー(委員会指定):出席で10単位(選択枠)。

同一合同学会内での“二重カウント不可”と、遅刻・早退では単位が付かない取り扱いに注意してください。

新規申請:要件・必要書類・スケジュール

新規の必須条件

  • 薬剤師免許(本邦)。
  • 感染症領域に5年以上関与の証明。
  • 学会正会員。
  • 症例15例の提示(同一症例の使い回し不可)。
  • 60単位の取得(上記の必須2項目を各1回以上含む)。
  • 認定試験に合格。

出願は毎年4月1日〜8月31日必着。審査・試験は年1回です。

新規申請の費用

  • 申請料:11,000円(税込)
  • 認定料:22,000円(税込)※合格後に納付

いずれもゆうちょ銀行への振替。払込手数料は申請者負担です。

更新申請:要件・必要書類・スケジュール

更新の必須条件

  • 認定から5年ごとに更新。
  • 認定期間中に60単位(必須項目を含む)を取得。
  • 学会正会員を継続。

更新申請は毎年4月1日〜12月20日必着。単位不足の場合は最長2年間の猶予制度あり。

更新の費用

  • 更新料:11,000円(税込)

提出書類・宛先は制度ページの案内に従ってください。

学会・セミナー参加の実費(目安)

  • 抗菌薬適正使用生涯教育セミナー(学会併設):参加費無料が基本(ただし合同学会自体の参加登録が必要)。
  • 学術集会(2025年の合同学会例):メディカルスタッフ会員 10,000円、非会員 11,000円

開催回により金額や区分は変動します。参加登録ページの最新案内で必ず確認を。

60単位へ最短で到達するモデルプラン①

  1. Advanced(半日)受講=15単位(必須①)
  2. 化学療法学会の総会or地方会参加=5単位(必須②)
  3. 総会内の「委員会指定シンポ」=10単位
  4. 学会主催「認定薬剤師講習会」=10単位
  5. e-learning=20単位
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1年で一気に取り切ることも可能ですが、遅刻・早退の単位失効や重複カウント不可に要注意です。

1年で一気に取り切ることも可能ですが、遅刻・早退の単位失効や重複カウント不可に要注意です。

60単位へ最短で到達するモデルプラン②

  1. Basic(1日)受講=30単位(必須①)
  2. 化学療法学会の総会or地方会参加=5単位(必須②)
  3. 総会内の「委員会指定シンポ」=10単位
  4. 学会主催「認定薬剤師講習会」=10単位
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1年で取ることも可能です。学術集会は水曜日~金曜日開催など平日参加が難しい場合があります。学会情報をよくチェックしてみてください。

よくある落とし穴と対策

  • 遅刻・早退:30分以上の遅刻や早退は原則単位付与なし。入退室時刻管理に注意。
  • 合同学会の重複:感染症学会と化学療法学会の“2学会分”としてはカウントされません。
  • 症例の重複:同一症例を複数申請者で使うと失格扱い。症例管理は厳密に。
  • e-learning単位数の勘違い:現在は20単位(過去は30単位期あり)。最新注記を確認。

まとめ

新規・更新ともに60単位、必須は生涯教育セミナー系(15〜30単位)化学療法学会の学術集会(5単位)。これに学会内指定プログラム(10単位)や講習会(10単位)、e-learning(20単位)を組み合わせれば、計画的に到達できます。費用は申請・認定関連(11,000円/22,000円/11,000円)に加え、学会参加費(開催回次第)と必要に応じて講習会受講料が発生。直近の開催情報で募集枠・受付方法・単位付与の条件(遅刻扱い等)を必ずチェックしましょう。

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地方組はなにかと交通費がかかります。計画的にすすめましょう。


出典(主要):制度規則・施行細則(単位要件・費用・申請期間・症例条件・e-learning注記)/生涯教育セミナー(単位・実施条件)/指定プログラム(10単位)/学会単位案内(5単位・重複不可)/参加登録費(2025年例)など。日本化学療法学会HPをしっかり参照してください。

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